会社でちっちゃな悪をなくせた話。

少し前の話になります。

会社の管理部門から、全社員宛てに「一斉メール」が出ました。


「社員食堂」を運営する会社より、相談があったとのこと。


私の会社の社食は、お皿ごとに「ICチップ」が付いていて、食べ終わったあと、トレーごと清算して支払うシステムです。


『以前から定期的に、「提供されたお皿・トレーの数」と、「実際に清算されたお皿・トレーの数」が合わないことが発生していて、システムエラーの可能性もあるので、原因を調査しているが、きちんと清算が出来たことを各自も確認してください、エラーが出たら社食のスタッフに声をかけてください。』といった内容でした。


私はこのメールを読んで、「原因はシステムエラーではなく、清算をしない人がいるからだよ・・」と思いました。月に1回ぐらいしか社食を利用しないのですが、今まで何回か、清算をしない人を見たことがあるからです。
前までは清算場所に社食のスタッフさんがいたのですが、コスト削減によってスタッフさんが配置されなくなりました。


それをいいことに(?)若い社員が「お金ないんだよねー」とか言って、清算せずトレーだけを返したりしていて、一緒に食べていた人たちも何も注意しないんです。他にも、メインのお皿を持ち上げて、小さいお皿だけ会計をして安く済ませる、といったことも目撃していました。こういうとき、注意できたらいいのですが。なかなか勇気が出ません。


こういう不正を見て気分が悪くなっても、自分にはどうするこもできないし、見て見ぬふりをしてしまいます。
過去にも、会議室の予約ルールを無視して予約する人たちがいて、困って総務に訴えたりしたこともあるのですが、改善されることはなかったし、会社全体的に、言うだけ無駄、言っても変わらない、といった雰囲気があります。
私も言っても意味ない、次第に見て見ぬふり、周りにグチを言い、嫌だなと思いながら過ごしていました。

 

 

 

 

今回も面倒だから、メールを見て見ぬふりをしようとしましたが、ふと見た手帳に、
「世の中が少しでも良くなることを毎日行う」というメモを目にしました。
これは私が毎日読んでいる、RAPTブログの有料記事の御言葉からメモしたものです。


そして、しばらく考えたら、「このせこい不正はずるい!なくしたい!事実を報告したい!」と思ってきました。私が言ったところで信じてもらえず、誰も動いてくれないかもだけど、言うことが大事だと思いました。


私のダメなところの一つに、感情のまま行動してしまうことがあり、これもRAPTブログで気づかせていただいていたので、冷静になり、他にも不正な清算を見た人がいないか、知り合い数人に聞いたところ、2人から同じような不正やもっと細かい不正を見たことがある、という話をもらうことができました。
これらの話を「ご報告まで。。」と返信したら、すぐにその部門の担当者から良い返事が返ってきました。


このようなリアクションをもらえるとは思っていなかったと、驚いていました。
(やはり、自分は関係ないとか、言っても無駄、と諦めてしまうのでしょうか)


実は清算の差異が、月30件程度も発生している、と教えてもらいました。
一人500円だとしたら、毎月15,000円ですね。大損失です。(せこい社員がいる会社で恥ずかしいです)


私だけではなく、他の人の証言も伝えたことで、信ぴょう性が高いと思ってもらえたようで、これらの話を含めてさらに改善策を検討したい、と言われて、数日後にまた返事がありました。


あれから上位の「コンプライアンス委員会」にこの話をしたところ、大きな反響があり盛り上がってしまった、とのことでした。
私の話と一致する情報を委員会メンバーも聞いていて、常習者っぽい雰囲気もあり、悪質でこのままだと会社の信用を失うので、匿名で私からの情報を全社員向けに「警告メール」として出そうという話になり、私の許諾がほしいとのことでした。


もちろん私はそうして欲しかったので快諾して、その後全社員に「警告メール」が出されました。

 

 



正直、犯人が常習者だったとしたら、その人が今後二度と不正を起こさない、とは限りません。不正しようと思えば、いくらでも他の方法で不正できる環境だからです。
しかも、悪事(罪)は常習性があり、自分で気づいて止めようと心から思わない限り
完全になくすことは難しいからです。これも、RAPTブログで教わりました。


今回の犯人が今後どうするかは関係ないと思いました。
全社員に「警告メール」を出してもらったことが重要で、一部の悪質な社員以外の、その他大勢の人たちが、今後も不正せずきちんと会計をして、不正をする人はいなくなったはず、と気分よくお昼の時間を過ごすことのほうが、よっぽど大事だと思いました。私も今回のことで、気分よく過ごせるようになり、本当に言ってよかったと思いました。


また、これからも社内で気づいたことがあったら、窓口の「ヘルプデスク」に報告してほしい、とのことでした。
私は今回、気軽にメール返信してしまったのですが、実は「本メールは発信専用のメールです」と書かれていて、たまたまその方が作業中だったので、私の返信メールに気づくことができた、通常なら気付かなかった、と言われました。


これも私の悪いクセだから直さないと、と思いました。細かなところまできちんと確認せずに動いてしまいます。それに、前から不正を知っていたんだから、もっと早く「ヘルプデスク」に報告するべきでした。


それでも、たまたま私のメールに気づいてもらえたり、私が言ったことを信じてもらえたり、警告メールを出してもらえたり、悪(不正)が少しでもなくなったこと、など、ちっちゃなことですが嬉しくて、行動してよかったと思いました。

 

 

 

 

RAPTブログでは今回みたいに、自分のささやかな日常にすぐに取り入れられる、正しいこと・やるべきことがたくさん書かれています。
また、自分の中の悪いこと(罪)をなくすことの重要性が、たくさん書かれています。
私もまだたくさん悪い部分があって、直そうと思ってもまたやってしまったり、変わることが本当に大変です。
自分で気づいていない悪い部分もたくさん残っているはずだから、探してなくさないといけない、とも教わりました。

 

自分は小さな存在ですが、「世の中が少しでも良くなることを毎日行う」を意識することを忘れずに、まずは自分が悪い部分をなくすように努力を続けて、悪事を堂々と指摘できるようになりたいと思いました。


また、今回のことがあって、社員食堂のスタッフのみなさんが、会社からの厳しいコスト削減の要求の中、がんばってくださっていること、オフィスを見回すと他にも、警備員さんやお掃除の方々、郵便物を届けてくれる配達員さん、などさまざまな方たちが各自の持ち場でがんばって働いてくださっていることに、気づくことができました。


みんなが快適に働けたらいいなーなんて理想ですが、挨拶や礼儀など基本的なことから意識をしていきたいです。

 

 

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